医院ブログ 月: 2018年10月

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赤ちゃんからのお口ケア

2018年10月24日

可愛い赤ちゃんの成長を日々感じることはとても幸せなことです。それと同時に、体の健康は勿論、お口の中についても疑問や心配事が出てくる時期でもあります。今回は赤ちゃんのお口の中のケアを中心にお話を進めていきたいと思います。

 

月齢に応じたお口のケアを行ってあげる

赤ちゃんのお口のケアを行ってあげることは、将来のお口の健康に大きく関わります。

と言っても、まだ歯が生え揃っていない時期はどのようなケアを行えばよいかわからないのも当然です。ではまず赤ちゃんの成長に合わせたケアについてご紹介しましょう。

 

授乳が中心の頃・・・離乳食が始まるまで、赤ちゃんは母乳やミルクで影響を補給します。まだ歯が生えていない時期は、唾液がお口の中をきれいにしてくれます。

 

歯が生え始めてきた頃・・・個人差がありますが、生後6か月頃から下の前歯が顔を大始めます。可愛らしい歯が生えたら、きれいなガーゼで拭ってあげる程度で十分です。

 

離乳食開始・・・離乳食が始まる頃は、少しずつ歯が生え始める時期でもあります。歯磨きに興味を持たせる意味も込めて、赤ちゃんが自分で握りやすい、輪っかのような歯ブラシなどを持たせてあげるとよいでしょう。歯を磨くことはまだまだ難しいため、まずは歯ブラシというものに少しずつ慣れることを目的として考えてみましょう。歯のケアは、引き続きガーゼで拭く程度で十分です。

 

離乳食終了後~・・・離乳食が終わるころから少しずつ歯ブラシというものに慣れさせてください。歯ブラシで磨くというよりは、当てるような感じで保護者の方がさっと歯ブラシで磨いてあげましょう。

 

 

赤ちゃんの歯を虫歯から守るためには

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌は存在しません。ではなぜ小さなお子さんは虫歯になるのでしょうか。それは虫歯菌を持った大人が使ったお箸やスプーンを使って離乳食やおやつなどを与えるからです。

虫歯はミュータンス菌などの虫歯菌による感染症です。まだ無菌状態の赤ちゃんのお口の中に細菌を移してしまうことで、虫歯のリスクを抱えることになるのです。

虫歯になるのは、「虫歯菌」「砂糖」「お口の中に飲食物が含まれる時間」そして「歯質」という4つの要因が重なった時です。

4つ目の要因で挙げた「歯質」ですが、乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、酸にとても弱いため虫歯になりやすいのです。当然のことながら、赤ちゃんは自分でお口の中のケアを行うことができません。赤ちゃんや小さな子供の歯を虫歯から守るためには、保護者のケアが大変重要であり、保護者の義務でもあります。

また幼少期の頃から歯科医院で定期的にフッ素塗布を行うことで、歯質を強化して虫歯になるリスクを低くすることが可能です。

 

赤ちゃんのかわいらしい前歯が生えたときからお子さんの歯のケアや食生活、おやつのあげ方などについてしっかりと考えておきましょう。

 

マイクロスコープの必要性

2018年10月19日

歯科治療は非常に精密な治療です。そのため肉眼ではごく小さな異変を見落としてしまうことも否定できません。歯科用マイクロスコープはこのような微細な病変を発見し、より精密で正確な治療を行うために使われます。今回は、マイクロスコープについてお話をいたします。

 

 

マイクロスコープとは

マイクロスコープとは拡大顕微鏡のことで、肉眼の3~20倍まで拡大することができる装置です。医科においてマイクロスコープはよく使われていますが、精密な治療を必要とする歯科治療においてもマイクロスコープを導入する歯科医院が増えてきました。

目で見てすぐわかるような病変ならともかく、肉眼では発見が難しい病変は意外と多いものです。小さなヒビや歯根破折、う蝕、精密根管治療などは病変の拡大や悪化に繋がることがあるため、マイクロスコープを使うことで見落としを防ぎ、正確な診断とともに精密な治療を行うことが可能となります。

 

根管治療におけるマイクロスコープの必要性について

数ある歯科治療の中でも、根管治療は日常的に行われる治療です。しかし根管治療は大変精密な治療技術を必要としており、根管治療の成功と失敗はその後の歯の予後に非常に大きく関わります。

根の形状は患者さんによって異なり、中にはとても複雑な形状をしたものもあります。根管治療はほんの少しの細菌の取り残しも許されません。しかし残念ながら、根管治療の再発率はそれほど低いわけではないのです。というのも、根管治療を行う歯科医師の多くは、長年の経験と感覚により行われています。そのため熟練の技術を持っていても、根の形状などにより細菌の取り残しが起こることは否めないのです。

このようなことから、根管治療こそマイクロスコープを使うべきと考えられます。マイクロスコープを使うことで視野が広がり、根の中の状況を正確に把握しながら治療を行うため、根管治療の成功率が格段に上がり、再発率を抑えることが可能となります。

 

 

歯科治療の成功率を高めるマイクロスコープを導入した歯科医院を選ぶとベスト

精度の高い治療を受けることができるために必要なマイクロスコープですが、日本国内で導入している歯科医院はまだまだ少なく、全体の5%程度と言われています。

しかしながら、精密な歯科治療の重要性という観点から少しずつマイクロスコープを導入する歯科医院が増えつつあります。ホームページなどで検索するとマイクロスコープを導入しているかどうかある程度わかります。

悪くなってから歯医者にいくという考えは改めないといけません。

2018年10月18日

健康な歯を守るために歯医者を受診する「予防治療」の重要性が少しずつ認識されはじめ、定期検診に通う方も増えてきました。しかし海外と比べるとまだまだ日本は遅れているという感が否めません。

 

 

未だに根強い「悪くなってから受診する」考え

歯科医院から定期検診の案内が届いたら、あなたはちゃんと予約をしますか?「面倒だから」「今調子悪くないから」などといってそのままにしていませんか。この場合、次に歯医者に足を運ぶときは、きっと歯が痛くなったり、詰め物が取れたときなど何かトラブルが起きた時でしょう。

痛みや詰め物が取れたなどの症状が起きた時は、症状は既に進行しており、ほとんどの場合再治療が必要になります。再治療では歯を削ります。レジンで詰めて終わる場合もありますが、歯を削ることに変わりはありません。歯はいちど削ると二度と元に戻りません。

また気づかない間に歯周病が進行し、慌てて受診したものの歯を残すことができず、抜歯という非常に残念なケースになることも少なくはありません。

このように、未だに「歯医者は歯の調子が悪くなってから受診する」という考えが根強いのが日本の特徴だと言えます。

 

 

諸外国における高い予防意識

この結果は、海外の予防治療の受診率と比較しても明らかとなっています。

アメリカやスウェーデンをはじめとした国では予防意識が非常に高く、歯や口腔内への健康意識が日本と比べて比較にならないほど強いと言われています。これは一定年齢における残存歯数で顕著に表れており、その数字を見ると日本はいかに予防意識が低いかということを痛感します。

日本人の80歳の平均残存歯数が平均6.8本という数字に対し、アメリカの85歳の平均残存歯数は15.8本、スウェーデンにおいては75歳の平均残存歯数が19.5本と、非常に高い数字が報告されています。

 

この数字を見ると、いかに日本の予防意識がまだまだ低いかと言うことがよくお分かりいただけるのではないでしょうか。

日本と違い、アメリカやスウェーデンなどでは、歯が悪くならないために歯科医院を受診することが当たり前という認識なのです。

 

 

定期検診の重要性を理解することからはじめましょう

定期検診を必ず受診する人と、悪くなってから受診する人では必ず差が出ます。80歳になっても自分の歯がたくさん残っているか、40代くらいでお口の中が悲惨な状況になっているかなど、その差は歴然です。

定期検診の目的は、お口の中の良い状態をキープすること、そして虫歯や歯周病などを早期に発見し、早期治療へ繋げることを目的としています。「歯が痛くないのに歯医者を受診するのはお金がかかる」と思う人もいるかもしれません。しかし悪くなってから受診すると、費用も時間も必要になってしまいます。また何よりも、大切な歯を失ってしまうことに繋がりかねません。

どんなに優れた技術や補綴物でも、ご自身の歯に勝るものはありません。定期検診の重要性を理解し、いつまでも健康な歯を維持するように心がけましょう。

親知らずアレコレ

2018年10月17日

親知らずは生え方によって、他の歯に悪影響を与えることがあるため、抜歯するケースが多くなりますが、抜歯をすると、どうしても痛みを伴います。では親知らずを抜歯すると腫れや痛みはどのくらい続くのでしょうか。今回は親知らずの抜歯についてお話をいたします。

 

 

親知らずが引き起こすトラブルとは?

成人の歯の本数は、上下合わせて28本で、親知らずを含めると32本です。しかし親知らずは必ずしも4本あるわけではありません。1本しか存在しないケースや、4本全て生え揃っているケース、横向きに生えているなど、親知らずの本数や生え方には個人差がありますが、

 

親知らずの状態によっては、親知らずそのものや他の歯に影響を与えることがあります。

 

 

虫歯・・・親知らずそのものが虫歯になる場合と、親知らずの隣の歯(第二大臼歯)が虫歯になる場合があります。親知らずは必ずしも必要な歯ではないため、親知らずの虫歯は抜歯すれば済みますが、隣接する第二大臼歯は非常に大切な歯です。この歯が深刻な状態になると、抜歯せざるを得ません。

 

智歯周囲炎・・・親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こし、腫れて痛みを伴います。親知らずはいちばん奥に生えており、歯磨きが行いにくいため、汚れが溜まりがちになります。疲れが溜まると発症することが多く、抗生物質を服用する必要があります。

 

歯並びの乱れ・・・親知らずが4本とも全て真っすぐに生えており、噛み合わせに異常がなければ大きな問題はあまりありませんが、横向きに生えた親知らずは隣の歯を押すため、歯列を乱すことがあります。親知らずの影響で歯並びの乱れや不正咬合が見られる場合、矯正治療を検討する必要があります。

 

 

親知らずの抜歯について

親知らずの抜歯を行う上で大切なことは、親知らずの位置と生え方です。特に下顎の親知らずの近くには、神経や太い血管が通っており、抜歯の際に神経を傷つけてしまう恐れがあります。親知らずの抜歯の前には、レントゲン写真で親知らずの位置を正確に把握しておく必要があります。

また生え方によっては、大学病院や総合病院の口腔外科で処置することが望ましい場合もあり、紹介状が必要になるケースも考えられます。

また血圧が高い方、血液の流れを良くする薬を飲んでいる方は、事前に内科の主治医に親知らず抜歯のことを相談しておくことをお勧めします。

 

 

親知らず抜歯後について

親知らず抜歯後に気になるのは、痛みや腫れでしょう。他の歯に比べて親知らずは少し大きく、根もしっかりとしており、抜歯後に痛みや腫れを伴います。処置中は麻酔がしっかり効いているためもちとん痛みはありませんが、麻酔が切れると痛みを感じます。痛み止めは処方されますが、それでも痛みと腫れは起こり、そのピークは抜歯当日よりも抜歯後2~3日がピークでしょう。

また下顎の親知らずの抜歯はほとんどの場合、顎の腫れを伴います。1週間程度で腫れは治まってきますが、その間はマスクをして隠すなどするとよいでしょう。

 

なお抜歯後は出血を伴いますが、うがいは極力控えて下さい。親知らず抜歯後は歯ぐきに大きな穴が開いています。ここを血のフタ(血餅)で覆うことにより歯ぐきが治癒しますが、出血するからといって何度もうがいをすると、フタをすべき血が流れてしまって、かえって治りが悪くなります。血のフタがないと、歯槽骨と神経がむき出しになり、非常に激しい痛みを伴う「ドライソケット」という症状が起こります。

 

 

親知らずが抜いたほうがよいと言われたら、前向きに考えましょう

抜歯なんて怖い、と思う人も少なからずいらっしゃると思います。親知らずはそのままにいておいてもよいケースと、抜歯したほうがよいケースがあります。歯科医師に抜歯を勧められるということは、他の健康な歯にとってよくない影響が考えられることです。

歯科医師は痛みに考慮した方法で治療を行いますので、前向きに検討することをお勧めします。

相手に好印象を与える口元になるには日ごろのケアはもちろん、定期検診やクリーニングをきちんと受けることが何よりも大切です。

2018年10月15日

相手に好印象を与えるのは、素敵な笑顔です。その「素敵な笑顔」を作り出すのは、美しい口元です。しかしどんなにメイクや髪型がバッチリ整っていても、笑った時に見える歯が黄ばんでいたり、ガタガタした歯並びであったり、ひどい口臭だととても残念な気持ちになってしまうのではないでしょうか。

男性の場合も同じで、ブランドのスーツを着て高級な腕時計をしていても、口元の印象が悪いと清潔感に欠けてしまいます。このように口元は、良くも悪くも相手に印象を与える重要なパーツなのです。

 

では相手に好印象を与える口元とは、いったいどのような条件が整っているのでしょうか。

 

<相手に好印象を与える口元>

・白く清潔感のある歯

・虫歯や歯周病がなく、健康な歯と歯ぐき

・歯列が整ったきれいな歯並び

・口臭がなく、相手に不快感を与えない

では反対に、相手に不快感を与える口元についても挙げてみましょう。

 

<相手に不快感を与える口元>

・黄ばんだり、タバコのヤニで茶色く変色した歯

・歯が抜けたまま。特に前歯

・笑ったときに歯と歯ぐきの境目にべったりと付着したプラーク

・ひどい口臭

 

ご自身に当てはめて考えた場合、いったいどうでしょうか。歯は黄ばんでいませんか?虫歯を放置して黒くなっていたり、穴が開いていませんか?また歯磨きが不十分だと歯と歯ぐきの境目にプラークが溜まり、歯ぐきが赤く腫れて歯肉炎や歯周炎になってしまいます。悪化すると口臭がきつくなり、相手に不快感を与えてしまう恐れがありますが、「相手に不快感を与える口元」とは、お口の中の衛生管理がきちんと行えていないためであり、自らが招いた結果なのです。

 

例えば歯を白くするのにはホワイトニングが最も有効ですが、保険適用のクリーニングでも十分にきれいになります。特にタバコのヤニは毎日の歯磨きでは落とせません。クリーニングを行ってヤニを落とすしか方法はないのです。

また歯が抜けたまま放置していることは、相手にだらしない印象を与えてしまいます。歯が抜けてしまったら、失った歯の機能を補う治療を速やかに行うと見た目も回復します。

しかし中にはそのまま放置し、歯が抜けたままの人も少なくありません。

これは、お口の中の衛生環境が疎かになったため、虫歯や歯周病で歯を失うことになったことが考えられます。きちんと毎日歯磨きを行い、歯科医院で定期検診を受けていれば、悪化は免れたはずです。

 

歯をきれいに保つためには、まず自分自身の意識を変えなければいけません。

笑顔に自信を持つためにも、日ごろのケアはもちろん、定期検診やクリーニングをきちんと受けることが何よりも大切です。歯の健康を守ることは結果的にきれいな口元に繋がります。まずは自分自身で意識をすることからはじめましょう。

小児矯正の具体的な治療法

2018年10月12日

大切なお子さんの歯の心配事は、虫歯だけではありません。健康な歯を守るためには、歯並びや噛み合わせが非常に重要です。もしお子さんの歯並びや噛み合わせに問題があると、将来の歯の健康に色々な影響が出てしまいます。そこで今回ご紹介するのが、小児矯正です。では小児矯正とはどういう治療なのか、具体的にご紹介しましょう。

 

 

小児矯正について

一般的な成人矯正では、歯にブラケットと呼ばれる矯正装置や透明のマウスピースを装着して歯を動かしながら、少しずつ歯並びを整えていきます。

 

いっぽう小児矯正とは、永久歯を正しい位置に導くために、顎の骨の成長を促す矯正治療法です。永久歯は乳歯より大きく、乳歯から永久歯に生え変わるときに顎の骨が狭いと、永久歯が生えるスペースが不足し、生えてきた永久歯が乱れて並んでしまいます。この状態が一般的に呼ばれる「乱食い歯」であり、ガタガタに並んだ歯並びの状態なのです。

 

小児矯正は、まだ骨が柔らかい子どもの時期の間に顎の骨を広げ、正しい位置に永久歯が並ぶための顎の骨をコントロールする治療法です。

成人すると顎の骨の成長は止まってしまうためこの治療法は難しく、一般的な矯正治療法による矯正となるため、お子さんの歯並びや噛み合わせに異常が見つかった場合、早期に治療を行うことで一定の効果を得ることが可能となります。

 

 

小児矯正の治療法について

小児矯正は、第一期治療と第二期治療があり、それぞれの治療法が異なります。

 

・第一期治療

顎の骨が狭く、のちに生えてくる永久歯が正しく並ばないと診断された場合に適用する治療法で、「床矯正(しょうきょうせい)」と呼ばれています。床矯正は、取り外し式の装置を使って少しずつ顎の骨を広げ、3歳から12歳くらいまでに行います。

まず型取りを行い、出来上がった装置を毎日一定時間以上装着します。週に1回は装置についているネジを回して装置を拡大し、少しずつ顎の骨を広げます。

 

メリットとしては、取り外し式のため食事や歯磨きが行いやすいことです。反対にデメリットは、長時間装着する必要があるため、幼稚園や学校生活を送る中で、お友達にからかわれないかなどを気にしてしまうことが考えられます。

また装置は壊れやすいため、破損するとそのたびに修理が必要となってしまいます。

そして第一期治療は骨格的な問題点が完全に改善できるか予測できないため、治療結果によっては他の矯正治療法が必要になることもあります。

 

 

・第二期治療

第二期治療は、第一期治療で行った床矯正による結果により、さらにきれいに歯並びや噛み合わせを整える矯正治療です。ブラケットを使った全体矯正や部分的な矯正を行う他、床矯正のみできれいに整った場合はそのまま保定期間に入る場合もあります。

 

 

小児矯正は、将来の歯の健康に関わる大切な治療です。成人してから矯正を行うと、場合によっては抜歯を行うケースもあり、費用も高額になることが考えられます。

お子さんの歯並びや噛み合わせが気になったり、集団検診などで指摘があった場合、早めに歯科医院を受診することをお勧めします。

「受け口」はすぐにでも治療を開始しましょう

2018年10月11日

噛み合わせの異常である「不正咬合」には出っ歯をはじめ、色々な症状があります。その中でも通称「受け口」と呼ばれる不正咬合は、すぐにでも治療を開始する必要があります。ではなぜ受け口は早期の治療を必要とするのでしょうか。

 

 

受け口とその原因について

下の歯全体が上の歯よりも出ており、横から見ると顎が出ている不正咬合を専門的に「下顎前突」と言い、一般的に「受け口」「しゃくれ」「反対咬合」と呼ばれています。

本来なら、奥歯で噛んだ時に上の前歯が下の前歯を数ミリ覆っていますが、受け口は下の歯が上の歯よりも前方へ出てしまう噛み合わせの異常です。

受け口の原因は、歯の形態や悪癖などが原因である「歯性下顎前突」と、骨格に原因が認められる「骨格性下顎前突」に分けられます。

歯性下顎前突は、歯の発育不良や口呼吸、舌の癖、幼少期のおしゃぶりなどが要因として挙げられます。

いっぽう骨格性下顎前突の場合、顎の骨の位置そのものの異常で、その多くは遺伝によるものです。両親や親戚に受け口の人がいると、骨格性下顎前突の確率は高くなると考えられます。

 

 

受け口をそのままにしておくと?

受け口の治療をせず、そのままにしておくと、様々な悪影響が起こります。

 

・前歯が噛み合わないため奥歯に全ての力がかかり、奥歯の寿命が短くなる

・噛み合わせが悪く、肩凝り、頭痛、消化不良など全身の健康に影響が出やすい

・噛むときに無理な力がかかるため、顎に負担がかかりやすい

・発音しにくく、話し辛い。特にサ行に影響が出やすく、相手も聞き取りにくい

・顎関節症を引き起こすリスクを抱える

・特徴のある外見のため、気分的に落ち込んでしまう

このように、真逆の噛み合わせである受け口になると、深刻な影響が出てしまいます。

 

 

受け口と診断されたらすぐに治療を

お子さんの集団検診などで受け口と診断されたら、早急に治療を開始する必要があります。というのも、受け口はそのままにしておくと、下顎がどんどん前方へ突出し、悪化の一途をたどってしまうからです。

受け口の治療は通常の歯並びの乱れとは異なり、長期的な治療が行われます。歯性下顎前突の場合、早期初期治療、第一期治療そして第二期治療と治療時期を分け、年齢に応じた治療を行います。その都度上下の顎の位置関係や噛み合わせを慎重にチェックします。3歳ごろになるとムーシールドという装置を使用し、噛み合わせを正しく整える治療が中心となるでしょう。

 

永久歯が生え揃った成長終了後に行う第二期治療では、外科治療を伴う場合もあります。

なお骨格性下顎前突では、ほとんどの場合外科処置を必要とします。

 

受け口と診断されたら、すぐに歯科医院を受診し、治療を開始しなければいけません。受け口の治療は早期治療がとても大切です

ずっときれいな歯並びでいるために矯正終了後の定期健診は非常に重要です。

2018年10月6日

歯列矯正終了後のきれいな歯並びを保つためには、定期検診が非常に重要です。では矯正治療後の定期検診がなぜ重要なのか、また定期検診を受診する頻度など、歯列矯正後の定期検診について述べてまいります。

 

歯列矯正後の定期検診が重要な理由について

ブラケットやマウスピースといった矯正装置を使った歯列矯正で歯並びを整えても、自然に元の位置へ戻ろうとする「後戻り」という現象が起きる可能性があります。矯正装置を使って移動させた歯並びは、実は不安定な状態です。つまり歯の移動は、矯正装置という物理理的な力を使って負荷をかけることで、歯の根の周囲の骨が溶け、また新たな骨が作られるという現象を繰り返しながら歯を動かします。このため矯正治療後は歯が元の位置に戻りやすく、後戻り現象が起きやすいのです。

後戻りを防ぐためには、リテーナーという保定装置を装着し、歯並びを安定させることが非常に重要です。

そしてきれいに整えた歯並びをキープするためには、定期検診がたいへん重要です。

矯正治療後の定期検診は、矯正治療によって綺麗な歯並びが保たれているかどうか、そして噛み合わせに異常はないかどうかを確認するとても大切な検診です。

歯列矯正の目的は歯並びをきれいにするだけでなく、噛み合わせを正しく整えることも大きな目的です。定期検診を受けることで異常の有無を把握し、良い状態が保たれているかどうかを確認します。

 

 

定期検診の頻度について

では矯正治療後の定期検診は、どのくらいの頻度で受診するとよいのでしょうか。

一般歯科の定期検診は主に3か月に一回の受診が目安とされていますが、矯正治療後の定期検診も、3か月に一度の受診が理想的と考えられます。ただし矯正治療終了後は1か月に一度受診し、後戻りの傾向はないかどうかを確認することが望ましいでしょう。その後は担当医と相談しながら定期検診の期間を決めてもいいと思います。

大切なことは、きちんと定期検診を受診することです。「矯正治療が終わったからやっと歯医者通いから解放された!」と定期検診を怠ると、せっかく整えた歯並びが後戻りを起こしてしまうことがあります。担当医と相談しながら、定期検診は必ず受診しましょう。

 

定期検診で行われる内容とは?

矯正治療終了後の定期検診では、歯並びと噛み合わせのチェックの他に、歯石除去やクリーニングを行い、お口の中の衛生環境を整えて虫歯や歯周病を予防します。

歯並びを整えるとブラッシングしやすくなり、衛生管理しやすくなりますが、どうしてもプラークは形成されてしまいます。プラークが溜まると虫歯や歯肉炎になりやすく、きれいに整えた口元が台無しになってしまいます。

 

きれいに整えた歯並びをキープするためにも定期検診で歯の健康を守り、笑顔で毎日を過ごしたいものですね。

歯並びが悪くなる不正咬合の種類と原因

2018年10月5日

歯列が整った美しい歯並びは、笑顔を引き立てるための重要なパーツです。しかし歯列が乱れていると、笑顔に自信を持てないばかりか、歯やお口の中のトラブルの原因になってしまうことがあります。では歯並びが悪くなる原因はいったい何でしょうか。

 

 

歯並びの乱れや不正咬合の種類と原因

ひと言で歯並びが悪いと言っても、色々なケースがあり、治療法も異なります。また歯並びはそれほど悪くないのに、噛み合わせに異常がある場合、見た目だけでなく噛む機能や全身の健康にも悪い影響を与えてしまいます。

 

・叢生(そうせい)・・・いわゆる乱食い歯と呼ばれる、デコボコした歯並びです。顎が小さく永久歯がきちんと並ばず、歯列が乱れてしまいます。歯磨きが行いにくく、プラークが作られやすいため虫歯や歯肉炎、歯周炎を引き起こしやすくなります。

 

・上顎前突・・・出っ歯という呼び方のほうが耳慣れている上顎前突は、前歯が前方へ飛び出した生え方をしている歯並びです。遺伝的要素、下顎の成長不足が主な原因の他に、幼少期の長期にわたる指しゃぶりは出っ歯の大きな要因と言われています。また口がポカンと開いて口で呼吸を行う「口呼吸」も、上顎の成長を妨げる悪癖となり、出っ歯の原因になってしまいます。

 

・下顎前突・・・いわゆる「受け口」「しゃくれ」と言われている不正咬合で、下顎が出ていることが特徴。遺伝的要素が大きく、早期の治療開始が望ましいでしょう。

 

・開咬(オープンバイト)・・・奥歯で噛んだときに、前歯に隙間が出る不正咬合。歯並びそのものは悪くないが、オープンバイトは前歯で食べ物を噛み切ることができず、奥歯でばかり噛むことになります。そのままにしておくと顎に負担がかかり、顎が痛くなったり、顎関節症を引き起こす恐れがあります。原因としては、遺伝による骨格の異常、指しゃぶりや下唇を噛むなど幼少期の癖、口で呼吸をする口呼吸などが挙げられます。

 

歯並びの悪さや不正咬合はそのままにしておかないで

歯並びが悪くなる症例と原因についてお話しました。歯並びが悪くなる原因は、骨格などの遺伝要素、幼少期の悪癖、生活習慣などいくつか挙げられます。歯並びの悪さや不正咬合は、そのままにしておいても良くなりません。見た目や機能だけでなく、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。またオープンバイトは顎関節症のリスクが高まるため、できるだけ早めに歯科医院または矯正歯科を受診し、相談することをお勧めします。

なお骨格が原因の場合、歯列矯正では改善できないケースもあり、外科処置が必要になることも考えられます。歯並びや不正咬合が気になる方は、早めに歯科医院で相談することが望ましいでしょう。

 

歯茎の色が黒いとせっかく歯を白く磨いても効果は半減に・・・

2018年10月4日

どんなに歯が白く輝いていても、歯ぐきが黒ずんでいると、その効果は半減します。歯ぐきの黒ずみの主な原因は、タバコによるメラニン色素の沈着です。では黒ずんだ歯ぐきをきれいにする方法はないのでしょうか。

 

歯ぐきの黒ずみについて

笑った時に目立ってしまう歯ぐきの黒ずみは、メラニン色素の沈着によるものが原因です。一番に挙げられる原因は喫煙の刺激によるメラニン色素の沈着で、その他の原因として加齢、強すぎるブラッシング、口呼吸による空気の刺激などが黒ずみの原因として挙げられます。

特にタバコによる歯ぐきの黒ずみは顕著に表れ、引き締まったピンク色の歯ぐきと比較すると、タバコによる歯ぐきの黒ずみは不健康で、清潔感を損ねてしまいます。

メラニン色素の生成を抑えるためにはビタミンCが欠かせません。ところが喫煙はビタミンCを壊し、メラニン色素の生成を助長してしまうため、歯ぐきへの色素沈着の原因となってしまいます。

歯ぐきのメラニン色素沈着を改善する方法とは

では黒ずんだ歯ぐきを元に戻す治療法にはどんな方法があるのでしょうか。歯肉の黒ずみを改善する2種類のガムピーリングについてご紹介いたします。

 

・レーザーによるガムピーリング

歯科用レーザーを使って歯ぐきの黒ずみを取り除く方法です。黒ずんだ歯肉にレーザーを照射して歯肉の色素沈着を除去します。個人差はありますが、1,2回のレーザー照射で効果が現れるでしょう。

施術後は違和感やヒリヒリした感じがあるかもしれませんが、すぐに気にならなくなります。

 

・薬剤によるケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、歯ぐきに専用の薬剤を塗布し、歯ぐきの黒ずんだ部分を剥離させて取り除く方法です。薬剤を黒ずみに塗り、アルコールを使って中和すると歯ぐきの表面が白くなり、数日後に剥がれ落ち、その後きれいなピンク色の歯ぐきが再生されます。通常1週間程度できれいな歯肉になりますが、メラニン色素が濃い方は数回に分けてケミカルピーリングするほうがよいでしょう。

 

なお金属の被せ物が原因で起こる歯ぐきの黒ずみ「メタルタトゥー」は、レーザーを使って取り除く方法が多いですが、レーザーできれいに取り除けない場合は歯ぐきの移植が必要になる他、金属の被せ物を取り除いてセラミックなど金属を使わないメタルフリー治療も行う必要があります。

 

歯ぐきのメラニン沈着が気になる方は歯科医院へ相談を

歯ぐきの黒ずみの改善法についてご紹介しました。きれいな歯ぐきは美しい口元を作り出すために欠かせません。喫煙などにより歯ぐきの黒ずみが気になる方は、いちど歯科医院へ相談してみましょう。またお口の健康や審美性を考慮し、禁煙に取り組むことも大切です。

個別相談

当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私達にお話しして頂けたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。また、セカンドオピニオンも積極的に実施しています。

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