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予防治療をすることで将来の健康を手に入れましょう

2019年07月29日

歯の健康を維持し、生涯ご自身の歯で食事を楽しむためには予防が欠かせません。虫歯や歯周病などから歯の健康を守るために、治療として受診するのではなく、予防として定期的に受診することで歯の健康を守ることを意味します。ところで予防治療は保険適用で受けることができるのでしょうか。

 

 

予防治療の概念とは

昔は歯が痛くなってから歯医者を受診し、悪くなった歯や歯ぐきを治療する「治療型」が主流でした。今では歯やお口の中の健康意識が高まり、それとともに予防治療が少しずつ浸透してきました。

 

とは言え、アメリカやスウェーデンなど海外の国と比べると、日本の予防治療に対する意識はまだまだ低いと言えます。

 

虫歯と歯周病は歯を失う二大原因であり、このような症状が現れてから慌てて歯科医院へ駆け込む患者さんはまだまだ多いのが現状です。歯は失ってしまうと二度と元には戻りません。永久歯は一生ものなのです。定期的に予防治療を受けることは、どんなに高度な治療や最高級の補綴物を装着するよりも効果が高いのです。

 

 

保険で予防治療は受けられるのか?

では予防治療は、保険治療では受けることができないのでしょうか。例えば人間ドックは、体に異常がなくても病気を早期発見することを目的としており、保険適用外となります。

 

歯科における予防治療は、平成28年4月より厚生労働省から「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」という制度が制定されました。この制度に認定された歯科医院では、毎月保険適用で予防治療を受けることが可能です。

内容としては、歯周病の検査や歯石除去、歯のクリーニング、歯周病の安定期治療、子どものフッ素塗布などです。か強診に認定された歯科医院なら、これらの施術が保険適用で毎月受けることができるようになりました。

これに対し、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所に認定されていない歯科医院で保険適用の予防治療を受ける場合、3ヶ月に一度となります。

 

か強診に認定されていない歯科医院で毎月予防治療を受けたい場合は、自費治療となります。自費治療は高いのでは?と思うかもしれませんが、歯科医院によって費用は異なります。

自費の予防治療の場合、内容は患者さんの好みに合わせられます。歯周ポケット数値検査は受けなくても構いません。保険では使えないような薬剤やペーストなども使うことができるため、患者さんの希望を取り入れながら歯科衛生士が口腔内に最も適した施術を行います。

 

 

後悔しないためにも、予防治療は必ず受けましょう

虫歯や歯周病になると、歯を失うスタート地点に立ってしまうことになります。歯を失わないためには予防治療が最も効果的です。

か強診に認定されている歯科医院なら、毎月でもメンテナンスを受けることができます。予防治療に力を入れている歯科医院で歯の健康を維持し、生涯ご自身の歯でお食事を楽しむことが体の健康にも繋がるのです。

失ってから後悔しないためにも、予防治療は必ず受けるようにして下さい。

 

歯科の減菌対策

2019年07月26日

歯科治療において気をつけなければいけないのは、院内感染です。歯科で使う器具には、細菌を多量に含んだ唾液や血液などが多量に付着し、きちんと滅菌されていないと他の患者さんに感染する恐れがあります。そこで歯科治療による感染予防に欠かせない「オートクレーブ」について、その効果と費用などについてお話いたします。

 

 

器具を通じて院内感染の恐れがある

歯科治療で使う器具には、唾液が必ず付着します。口腔内には非常に多くの細菌が存在しており、出血を伴う処置を行うことがあります。このときに使用する器具を通じて、他の患者さんに細菌感染する恐れがあります。院内感染を防ぐためには、器具の消毒および滅菌が必要なのです。

 

最近では院内感染防止を徹底している歯科医院も多くなりました。この院内感染に欠かすことができないのが、高圧蒸気滅菌器「オートクレーブ」です。

 

 

オートクレーブの働きとは

通常「消毒」と言えば「煮沸消毒」が思い浮かぶでしょう。確かに煮沸消毒することで、ほとんどの細菌は死滅します。しかし煮沸消毒に必要な時間は約20分と言われています。患者数が極端に少ない歯科医院なら煮沸消毒でも対応できるかもしれませんが、一日の来院数が100人を越えるような大型歯科医院などでは、煮沸消毒など行っている時間はありません。

 

このような手間を省き、しっかりと滅菌をするために使われるのが、滅菌器です。滅菌器にはオートクレーブ、ガス滅菌などがありますが、歯科医院で主に導入されているのが高圧蒸気滅菌器「オートクレーブ」です。

オートクレーブにはクラスB、クラスS、クラスNという種類がありますが、基本的には130℃という高温高圧によって、全ての細菌やウィルスを死滅させることができます。

煮沸消毒のコストと比べると、オートクレーブのほうがずっと効率的です。

 

歯科治療で使うミラーやピンセットなどの基本セットや、歯周ポケット数値を測るプローブ、超音波スケーラーチップなどは使用後オートクレーブで滅菌し、細菌やウィルスを死滅させ安全な状態にしてから、次の患者さんに使います。

 

このオートクレーブで使える器具は、130℃の高温に耐えることができるものに限り、プラスチック製のものなど高温で溶けてしまう恐れがある器具には使用できません。

 

一時期問題となった歯を削る器具「タービン」も、オートクレーブでしっかりと滅菌して使用します。タービンは唾液や血液などが付着するため、オートクレーブでの滅菌は欠かせません。

 

 

オートクレーブ導入に関わる費用とは・・・?

オートクレーブで滅菌を行っても、感染のリスクを0%にできるわけではありません。またオートクレーブを導入するには装置代だけでなく、費用や人件費も必要となります。標準的なオートクレーブでも少なくとも100万円はかかり、その他設備も合わせると300万以上になると考えられます。

全ての歯科医院でオートクレーブが導入されているわけではありません。患者数が多い大規模な歯科医院なら人件費が、患者数が極めて少ない歯科医院では採算に問題が生じてきます。これには歯科の診療報酬が、以下に比べて低いことが一因として考えられます。

 

患者さんが安心して歯科治療を受けるためには、歯科器具の滅菌以外にも院内感染対策は必要です。これには歯科医院の経営の安定が欠かせないのです。

 

しかし、患者さん側から見たら、歯科医院の経営状態などは関係ありません。院内感染のリスクを常に考え、患者さんにとってよい環境で治療を受けてもらうよう歯科医院側の努力が不可欠といえるでしょう。

味覚異常は健康を害する恐れがあります

2019年07月24日

毎日の楽しみのひとつに、美味しい食事を食べることがあります。美味しく食べるためには、味覚がとても重要です。しかし味覚が感じられない場合、食事を美味しくいただくことができないばかりか、体の健康を害する恐れがあるのです。

 

 

味覚の働きについて

味覚には、ただ単に味を感じるだけではありません。味覚の働きは、主に次のものが挙げられます。

 

・食べ物の味を感じることで、食欲を増進させる

・味覚を感じることで腐ったものや毒などを食べないようにする

・唾液を分泌させる

・消化を促進させる

舌には「味蕾(みらい)」という組織があり、舌の表面にある乳頭の中に存在します。味蕾は甘み、酸味、塩味、苦味という5つの基本的な味覚を伝達することでそれぞれの味を脳で感じることができるのです。

 

 

味覚異常とその原因について

味覚異常とは、味覚そのものが衰えるものと、常にお口の中で異常な味がするものに分けられます。味覚の衰えは基本の4つの味覚が低下します。

 

味覚異常の原因には薬の副作用や内科的なものなど様々な原因が考えられますが、中には口腔カンジダ症や歯周病が原因の場合があります。

 

 

味覚異常の治療だけでなく、食事で改善しましょう

味覚異常と診断された場合、原因に応じた治療を行うことで改善を試みます。口腔カンジダ症の場合なら抗菌剤を投与し、歯周病が原因の場合は、歯周病の治療を行うなど、味覚異常を改善するための治療を行います。

 

それとともに、食事内容を改善することも必要です。味覚異常を改善するために必要な栄養素は、亜鉛です。味を感じる味蕾は、短いサイクルで新しく生まれ変わります。このときに必要な栄養素が、亜鉛なのです。亜鉛が不足することで味蕾の細胞がうまく生まれ変われなくなり味覚異常を引き起こしてしまうので、食事で亜鉛を摂取する必要があります。

 

亜鉛が多く含まれている食品は次のとおりです。

 

・牡蠣

・小麦胚芽

・子牛のレバー

・牛肉

・豚の赤身

・鶏肉(皮付き)

・小麦全粒粉

・卵

亜鉛は金属の亜鉛2g以上の摂取で毒となると言われていますが、食材に含まれる亜鉛は安全です。上に挙げたように、亜鉛は比較的摂取しやすい食材に含まれているため、毎日の食事で是非取り入れたいものです。

効果的な摂取の仕方として、クエン酸やビタミンCを一緒に摂ると、亜鉛を吸収しやすくしてくれます。

またサプリメントで摂取してもいいかもしれません。食事のバランスが取れていないなと感じたら、サプリメントを併用するといいでしょう。

 

このように、亜鉛を食事の中で摂取することで味覚を正常に保ち、美味しく食事がいただけます。栄養バランスを意識した食事は、お口の中と体の健康の基本と言えるでしょう。

歯茎からの出血を甘くみてはいけません

2019年07月12日

歯磨きをしていたら歯ぐきから血が出てきた・・・。こんな経験はありませんか?歯ぐきからの出血は歯肉炎と呼ばれる症状で、磨き残しに原因があるのです。

 

歯ぐきからの出血は、歯肉炎のサイン

毎日きちんと歯磨きをしているのに、歯磨きのたびに出血する場合、磨き残しが原因で起こる歯肉炎が考えられます。

歯肉炎とは歯ぐきの炎症で、主な症状は歯肉の腫れと出血です。健康な歯ぐきの場合、歯肉がピンク色で引き締まっています。

いっぽう歯肉炎を起こしている歯ぐきは赤く、指で触るとプヨプヨと腫れていることがわかります。炎症を起こして赤く腫れている歯ぐきの場合、歯ブラシの毛先が当たるだけで出血してしまいます。

 

 

歯肉炎をそのままにしておくと、やがて歯周炎へと進行する

ブラッシングが十分でない場合、お口の中に食べかすや汚れが残って、プラーク(歯垢)が作られてしまいます。お口の中には非常に多くの細菌が棲みついており、食べかすを栄養源としてプラークを作り出し、色々なトラブルを引き起こします。

つまりプラークは細菌の塊なのです。歯ぐきが腫れる場合、プラークが歯に付着することで歯周病の元となる細菌が棲みつき、毒素を放出して歯ぐきに炎症を引き起こすのです。

 

歯肉炎の症状をそのままにしておくと、やがて歯周炎へと進行します。歯周炎とは、歯を支える歯周組織に炎症が起こり、やがて顎の骨が吸収されて歯が抜け落ちていく病気で、一般的に歯周病と言われています。

 

歯ぐきの腫れと出血という同じような症状が起こる歯肉炎と歯周炎の違いは、炎症の範囲の広さです。歯肉炎は歯ぐきのみに炎症が起こりますが、歯周炎になると炎症の範囲が歯ぐきだけでなく顎の骨など範囲が広くなり、歯を支えることが難しくなってきます。

 

このように、たかが歯ぐきの腫れと歯肉炎を軽く考えると、やがて歯周炎へ進行し、最後には歯が抜け落ちてしまうのです。

 

適切なブラッシングと歯科医院でのクリーニングで健康な歯ぐきを保ちましょう

 

歯肉炎を引き起こす磨き残しは部位に関係なく、歯と歯ぐきの境目が最も多く見られます。歯ぐきの腫れや出血は比較的どの年代でも起こりますが、実は適切なブラッシングで改善することが可能です。

歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に当てて歯ブラシを細かく動かします。歯ぐきをマッサージするような感じで一本一本丁寧に磨くようにします。

 

また、就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が爆発的に増殖する時間帯です。口腔内の細菌の活動をできる限り抑えるようにするためにも、就寝前の歯磨きは、特に丁寧に行うように心がけましょう。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間ケアも忘れずに行ってください。

そして歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けることも、歯ぐきの腫れを予防する効果が期待できます。プラークをすっきりと落とし、トラブルからお口の健康を守るためには歯科医院での定期検診や予防治療が欠かせません。

 

しっかりと歯磨きを行い、定期検診を受診することで健康なお口の中を維持するよう心がけましょう。

インプラントのメリット・デメリット

2019年07月9日

自然な噛み心地と美しい見た目で人気を集めているインプラントですが、他の治療法に比べて治療期間が異なります。ではインプラントによる治療法は、どのくらいの期間で噛めるようになるのでしょうか。今回は、インプラントの治療期間についてお話いたします。

 

機能と美しさを兼ね備えたインプラント

インプラントの治療期間のお話の前に、インプラントの基礎についてご説明しましょう。失った歯の機能回復手段として入れ歯、ブリッジの他にインプラントがあります。インプラントは失った歯の部分の顎の骨に人工歯根を埋め込み、上部に人工歯を装着して噛む機能を回復させる治療法です。

 

<インプラントのメリット>

 

入れ歯やブリッジと比べると噛む力が強く、天然歯に近い

見た目が美しい

他の歯に影響を与えずに治療ができる

対合の歯を痛めにくい

 

 

<インプラントのデメリット>

 

ごく一部の症例を除いて自費治療となるため、治療費が高くなる

外科手術を伴うため、治療に制限が出る場合がある

どこの歯科医院でも導入しているわけではない

顎の骨の量が極端に少ない場合、インプラントができない場合がある

 

このように、インプラントには入れ歯、ブリッジにはない大きなメリットを持ち合わせた治療法です。しかし、治療期間に関しては、この二つと大きく異なります。ではインプラントの治療期間はどのくらいなのでしょうか。

 

 

インプラントの治療期間について

インプラントは、外科手術を行って顎の骨にインプラントを埋入します。この際、すぐに人工歯を装着するわけではありません。インプラント体と顎の骨が結合する結合期間が必要となります。この結合期間は部位や顎の骨の状態によって異なりますが、一般的なインプラント治療では、下顎で4ヶ月~8ヶ月、上顎で6ヶ月~10ヶ月程度必要となります。特に上顎は下顎よりも結合期間が長くなり、その間歯がない状態で過ごすことになります。

歯科医院によっては即時負荷インプラントを導入しており、手術した日に仮歯を装着できる場合があります。仮歯を装着すればその日から軽い食事を行うことが可能です。

 

また総入れ歯の方のインプラント「オールオン4」も、手術した日に仮歯を入れるため、すぐに噛むことができると言われています。

 

しかし即時負荷やオールオン4は、どこの歯科医院でも導入しているわけではありません。基本的に、インプラント手術を行った後はしばらく歯がない状態で、多少不便を感じるかもしれません。

 

つまり入れ歯やブリッジは、治療開始から1ヶ月から1ヵ月半程度で噛むことができるようになりますが、インプラントは長い結合期間が必要であり、すぐに人工歯がお口の中に入るわけではないのです。

 

とは言うものの、インプラントは他の歯に影響を与えずに治療ができるという、入れ歯やブリッジにはないメリットを持ち合わせています。

 

どの方法がご自身に適しているか、歯科医師とよく相談して治療方針を決めることが大切です。

CAD/CAM冠

2019年07月5日

歯科治療において保険適用の場合、使える素材が決まっています。前歯は見える表側は白いレジンで作られますが、臼歯部の場合、金属の被せ物しか選択肢がありませんでした。近年、保険改定が行われ、小臼歯と大臼歯の一部に白い被せ物が選べるようになりました。それがCAD/CAMです。

 

CAD/CAM冠とは?

あまり聞きなれないCAD/CAM冠とは、保険適用の白い被せ物で、金属を一切使っていません。プラスチック素材であるレジンに陶器素材のセラミックを混ぜた素材です。小臼歯は笑ったときに目立つ部位であり、この部分が銀歯であることにコンプレックスを感じることもあるでしょう。自費治療なら、部位に限らず白く美しい歯を手に入れることができますが、費用が高くなってしまいます。CAD/CAM冠は、保険適用で白い被せ物を手に入れることができるという大きなメリットを持ち合わせています。

 

また金属を一切使わないため、金属アレルギーの心配がない他、金属によって歯ぐきが黒ずむ「メタルタトゥー」の心配もありません。

 

反対にCAD/CAM冠のデメリットは、適用できる部位が限られること、そしてレジンが使われているため年数が経つと変色すること、そして強度が低く割れやすいことが挙げられます。

 

 

CAD/CAM冠が適用できる部位について

審美的なメリットが大きいCAD/CAM冠ですが、適用部位は小臼歯と、条件付で下顎の第一大臼歯のみとなります。大臼歯の場合、上顎の大臼歯および下顎第二大臼歯は保険適用となりません。保険で安く修復したい場合は、銀歯になります。

また、下顎の第一大臼歯の場合も、細かな条件がクリアされた場合のみ適用となります。

そして歯の残り具合や根の状態、残存歯の数によっては、小臼歯でも銀歯のほうが適しているケースもあります。そのためCAD/CAM冠の適用は歯科医師の判断によります。

 

というのも、CAD/CAM冠は強度に若干の不安があるためです。特に第一大臼歯にCAD/CAM冠を使用する場合、歯質がたくさん残っていることが重要です。第一大臼歯は、噛むことにおいて非常に大切な役割を持っており、強度が必要となります。しかしCAD/CAM冠はセラミックが混ざっているとはいえ、レジンの成分が含まれているため、強度に不安が残るのです。そのため歯質が少ない場合などは、CAD/CAM冠による修復は難しいと考えられます。

経年劣化とプラークの付きやすさが欠点

適用部位以外に気をつけなければいけないことは、経年による変色とプラークの付きやすさです。レジンは年数が経つにつれて汚れを吸収するため、何年も使っていると変色してしまいます。

またセラミック含有とはいえ、オールセラミックと比べると表面がややザラついており、プラークがつきやすいため、二次カリエスのリスクを持ち合わせています。

しかし審美性に優れており、金属アレルギーなどの心配もないため、歯質の残り具合によっては小臼歯にはおすすめの素材といえるでしょう。

 

 

保険治療と自費治療の違い

2019年07月3日

歯の治療やメンテナンスには、健康保険が適用されるものと自由診療があります。歯科治療におけるこの両者には、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、保険治療と自費治療についてお話をしたいと思います。

 

 

保険治療と自費治療の違いとは

歯科だけでなく、内科や眼科などの病院で受診をする際、窓口で健康保険証を提示しますよね。これは何かの病気や怪我が認められ、治療を必要とする場合に健康保険が適用となることを意味します。会計のときに支払う医療費は負担割合に応じて異なりますが、一般的には3割負担です。

 

歯科においても保険が適用される治療と保険適用外の治療があり、治療費に大きく差が出ます。

 

歯科治療で保険が適用されるのは、虫歯や歯周病など何らかの疾患が認められるケースです。治療費を抑え、最低限の機能回復を目的としているため審美面はあまり考慮されません。使用できる素材や薬剤も決まっており、制限があると言っていいでしょう。

いっぽう自費治療は健康保険が適用とならず、全額自己負担になります。

自費治療は予防や審美性を重視し、主にインプラントや予防治療、美しさを追求したセラミック治療、歯並びを整え、見た目を美しくする矯正治療そしてホワイトニングなどです。

 

保険治療で使用できる素材について

保険治療は治療費を安く抑えて症状を改善させることを目的としており、使用できる素材や薬剤も決まっています。

 

保険治療で使うことができる素材は、自費治療と比べて制限があります。詰め物や被せ物はセラミックではなくレジンという樹脂となり、見た目はそれほど違和感がありません。小さな虫歯や欠けてしまった場合などは、保険でも十分対応できます。

しかし被せ物の場合、自費の素材に比べると大きな差が生じます。犬歯までの前歯の場合、表側は白いレジンですが、裏側は金銀パラジウム合金を使った金属となります。

また奥歯の被せ物は銀歯となり、審美性に大きく劣ります。

なお保険改定に伴い、小臼歯および条件付で下の第一大臼歯に、CAD/CAM冠という保険が使える白いプラスチック素材が適用されるようになり、幾分審美面は上がるようになりました。しかしセラミック素材のものと比べると汚れが付着しやすいという欠点があります。

特に入れ歯の場合、安価で治療できるものの素材は全てプラスチックです。プラスチックの入れ歯は使っていくうちに汚れが付着し、劣化しやすい素材と言えます。また厚みがあるため味を感じにくいという声もよく聞かれます。

 

予防治療に関しては、歯科医院により保険の範囲内で行える場合があります。この場合、歯周病という病名がつくため歯周ポケット数値の検査は必ず行われます。また歯の表面をきれいに磨くペーストなども、保険では使えないものがあり、最低限の施術となります。

 

自費治療で使える素材について

自費治療は、保険治療では行えない、また使えない治療法や素材を自由に選ぶことができ、機能面と審美面どちらも考慮された治療や施術を受けることができます。

詰め物や被せ物はレジンではなく白く透明感があり、汚れが付きにくいセラミックを選ぶことができます。特に前歯の被せ物の場合、数年たって黄ばんでくるレジンと汚れがつきにくく、白さをキープできるオールセラミッククラウンでは見た目で大きな差が出てきます。

 

奥歯にも白い素材を選択することができるため、大きな口を開けても銀歯が目立つことはありません。

 

また失った歯の機能を回復させる場合、インプラント治療が選択肢として選べます。入れ歯に関しても、機能性の高い素材を選択することが可能となり、ご自身にぴったりと合う入れ歯の作製が可能です。

 

歯のクリーニングに関しても、自費治療の場合は色々な薬剤やペーストを選ぶことができるため、ご自身の歯やお口の中の状態に応じた施術ができます。

なお矯正治療は先天性顎変形症など特別な場合を除いて、自費治療となります。

 

このように、歯科治療における保険治療と自費治療では見た目と機能性、素材や薬剤の選択性に大きな差があると言えます。つまり安い治療費で最低限の機能回復を求めるか、見た目などにこだわりがあり、よりよい素材を求めるかによって異なります。

健康な歯は健康な食事から!

2019年07月1日

強く丈夫な歯は、毎日の食生活と深く関係しています。昔は固く、噛み応えがあるものが食卓に並んでいました。しかし現代社会では柔らかく、しっかり噛まなくてもよいファストフードなどが簡単に手に入り、偏食の大きな原因となっていると思われます。正しい食生活は、歯の健康とどのように関わるのでしょうか。

 

 

ファストフード、甘いもの・・・偏食傾向が強い現代社会の食卓事情

正しい食生活とはいったいどういう定義なのでしょうか。正しい食生活とは、バランスの取れた食事です。しかし、毎日バランスの取れた食事を摂っている人は、案外少ないかもしれません。また、昔は固いものや噛み応えのあるもの、小魚などが食卓によく出されていましたが、最近はどうでしょうか。残念ながら、近年の食卓の事情は昔のそれとは大きく異なっており、偏食傾向にある考えられます。

 

これはコンビニやファストフード店などで手軽においしい食べ物を手に入れることができることに原因があるのかもしれません。全てのものがそうではありませんが、大半は揚げ物や炭水化物、そしてしっかり噛まなくても消化できるものなどがよく目にします。

 

このような現代の食卓事情は栄養が偏っており、健康な体作りに影響が出ると考えられ、それは歯の健康にも深く関わってくるのです。

 

 

健康な歯は、バランスの取れた食事から

健康な歯は、健康な体作りに対して大変重要な役目を担っています。そのため健康な体を作るための歯が丈夫でなければいけません。

 

歯が丈夫であるためには、栄養バランスが取れた食事を摂ることが第一です。どんなにフッ素塗布など歯によいとされているものを使っていても、基礎となる歯が丈夫でないと意味がありません。

 

歯に必要な栄養素として、まずカルシウムは欠かせません。小魚はカルシウム豊富で、丈夫な歯や骨を作り上げます。食事の副菜として毎日取り入れたい食材です。

牛乳やヨーグルト、チーズもカルシウムをたくさん含んでおり、間食にもおすすめです。

 

またミネラルも丈夫な歯を作るためになくてはならない栄養素です。ミネラルは海藻類に含まれています。食後のお口の中は酸性に傾いており、歯の表面のミネラル分が溶け出している状態で、この状態が続くと「脱灰」という虫歯の一歩手前に繋がってしまいます。この溶け出したミネラルを補うためにも、積極的にミネラルを含んだ海藻を摂取することが必要です。

また近年の報告では、海藻を摂取することで歯周病の進行を抑制すると言われていることから、ミネラルは歯や歯ぐきの健康に欠かせない栄養素だということがおわかりいただけるでしょう。

 

その他にもたんぱく質や歯ぐきの健康に重要なビタミンCなど、色々な栄養素を毎日の食事で摂取し、丈夫で健康な歯を作り出しましょう。

必見!部分入れ歯の臭いの原因

2019年06月25日

部分入れ歯をしていると、会話のたびに「入れ歯が臭っていないか?」と心配になりませんか。部分入れ歯は、被せ物と比べると臭いが付着しやすくなる傾向があります。それはなぜでしょうか。

 

 

部分入れ歯が臭いやすい理由とは

食事をするためには、まずしっかりとした歯が必要となります。ところが、虫歯や歯周病などが原因で歯を失ってしまうと、噛む機能を取り戻す治療が必要となります。その機能回復手段の代表的な治療法が、入れ歯です。

部分入れ歯は固定式のブリッジやインプラントと異なり、着脱式の義歯です。取り外してお手入れをする部分入れ歯ですが、臭くなりやすい理由としては、次のような理由が考えられます。

・入れ歯がきれいに洗浄されていない

入れ歯は毎食後ごとに外し、きれいに洗い流しておきます。ところが入れ歯をずっとはめたまま過ごしていると、入れ歯に汚れが溜まって雑菌が繁殖するため、臭いの原因となります。

 

・プラスチック素材の入れ歯は雑菌が繁殖しやすい

保険適用の入れ歯はプラスチック素材で作られます。プラスチックは細かな傷が付きやすく、そこへ汚れや雑菌が入り込むことで臭いの原因となってしまうことがあります。

 

・入れ歯のバネをかける歯に汚れがついている

入れ歯のバネをかける歯やバネに食べかすや汚れがついたままにしておくことで、口臭の原因となります。

 

・しっかり噛めないことによる唾液不足

合わない入れ歯ではしっかり噛むことができません。噛むことで唾液が分泌されて雑菌を洗い流しますが、入れ歯が合っていないとしっかりと噛めず、唾液の分泌量が減って口内の雑菌が繁殖し、入れ歯が臭くなってしまいます。

 

・入れ歯が割れている

入れ歯は人工物のため、衝撃などが加わると割れてしまうことがあります。また気づかない間にヒビが入っていることもあり、そこへ雑菌が入り込んでしまうことがあります。

 

入れ歯=臭いと言われないために

入れ歯は使い方により臭いの原因となり、入れ歯=臭いというイメージが選考してしまいます。入れ歯が臭う原因は、汚れが残ることによる細菌繁殖が大半です。

入れ歯が臭わないようにするためには、常に入れ歯とお口の中を清潔にすることです。

入れ歯は毎食後ごとに流水で洗い流し、日に一度は入れ歯洗浄剤を使うことをおすすめします。

また自分の歯を丁寧に磨き、プラークがたまらないようにすることも大切です。特にバネをかける歯は虫歯や歯周病になりやすいため、しっかりと歯磨きをすることと、定期検診を受診することを心がけて下さい。

 

入れ歯はあなたの体の一部です。快適な毎日を送るためにも、入れ歯とお口の中を清潔に保つようにしましょう。

40代以降は要注意・・・?

2019年06月24日

「加齢臭」という文字を目にしたり耳にしたりする機会が増えました。あまり良いイメージがないこの言葉は、体臭だけでなくお口の中の臭いも含まれているようですが、年齢を重ねるごとに、お口の中の臭いも変化していくのでしょうか。

 

 

40代以降は要注意・・・?

これまでは何も気にならなかった自分の臭いが、ふとした瞬間から気になってしまう人は意外に多いのではないでしょうか。30代のころは特に気に留めなかったのが、40歳を過ぎる頃から、これまでに感じたことのない臭いが少しずつ強くなっていきます。この臭いがいわゆる「加齢臭」と呼ばれるもので、中年および高齢者特有の臭い」なのです。

加齢臭の原因として、ノネナールという物質が挙げられます。若い世代にはまず検出されないノネナールが、年齢を重ねるごとに増え、加齢臭となって現れ出ます。

 

加齢臭のもとになるのはノネナールだけではありません。女性の場合、女性ホルモンの原減少も加齢臭の原因のようです。つまり加齢臭は男性だけでなく、女性にも起こる現象なのです。

 

 

加齢とともに変わるお口の臭いの原因とは

口臭は、もっとも臭いを感じやすいもののひとつで、皮膚の臭い以上に相手にダイレクトに伝わります。

若い頃の口臭は虫歯や歯磨き不足、喫煙、アルコールの多量摂取、胃の不調などにより起こりやすくなりますが、年齢を重ねるごとに増殖する加齢臭による口臭は、独特の臭いがします。

昔「おじいちゃん、お口くさい」とお孫さんが言い切るCMがありましたが、そのCMでもわかるように、高齢者=口臭がきついというイメージが持たれています。これはあながち嘘ではなく、大多数の高齢者が、若い人と比べると口臭がきつくなる傾向が否めません。

 

40代以降にお口の加齢臭が増加するのには、いくつかの理由が考えられます。

 

まずは歯周病の悪化です。40代になると、大多数の人が歯周病にかかっています。きちんと定期検診を受け、口腔内が良好であっても、少しずつ歯周病は進行します。しかし歯周病であること真摯に受け止めないと、40代でも加齢臭が進行していきます。

なお歯周病の治療を受けずに放置しておくと歯周病が悪化し、強烈な臭いを放つようになります。

 

歯周病以外で考えられる原因は、口腔内の細菌の増殖です。年齢を重ねるにつれて免疫力が低下し、細菌を退治する力が弱まってきます。そのためお口の中や内臓に関する細菌を退ける力が衰え、高齢者特有の口臭となって現れるのではないかと考えられます。

 

そして天然歯から人工歯の数が増えるにつれ、細菌が繁殖しやすくなることも原因ではないかと言われています。銀歯やブリッジ、入れ歯などの人工歯は細菌が付着しやすく、臭いの元となってしまいます。

高齢になるにつれ「お口が臭い」と思われないためにも、歯周病の悪化を防ぎ、定期検診をきちんと受けてお口の中の健康を保つとともに、体調管理もしっかりと行い、健康的な生活を送るように心がけましょう。

個別相談

当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私達にお話しして頂けたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。また、セカンドオピニオンも積極的に実施しています。

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